山岳写真のトップカバー作品館

山岳写真の鈴木菊雄館表紙に使用した、作品解説や山岳情報です。
掲載期間:2013年4月〜2014年3月



 ゴルナー氷河とリスカム(2013年4月の表紙) 

 
 スイス・ゴルナーグラードより俯瞰する4月上旬のゴルナー氷河、荒々しい氷河も冬の雪に覆われて素晴らしい景観だ。リスカム(標高4527m)は、ヴァリスアルプスの中で左に位置するモンテローザの影でひかえめだが、氷河の最奥に鎮座する山容は端正で雄大ある。
 (左上より リスカム(4527m)、カストール(4228m),ポリュックス(4092m)、
  ブライトホルン(4164m) 撮影;2007年3月下旬






つつじ咲く阿蘇山(2013年5月の表紙)    

 
 阿蘇山は世界最大のカルデラを持つ活火山、日本百名山でもある。5月上旬には登山口の
仙酔峡には5万本といわれるつつじ(ミヤマキリシマ)が咲き誇る。   最高峰の高岳(標高1592m)が雄大に聳える絶景ポイントである。撮影:2010年5月中旬






花咲く鳥海山(2013年6月の表紙)    

 
山形県と秋田県境に位置する鳥海山、厳しく長い冬が明けると豊富な高山植物に彩られる季節が到来する。雪解けと同時に現れて開花するハクサンイチゲやチングルマの群落は見事だ。標高1575mの鳥海湖の雪が解けて水面が現れるころ、ハクサンイチゲの群落が一斉に開花する。撮影2012年6月中旬






残照の槍ヶ岳(2013年7月の表紙)    

 
点を突く尖峰槍ヶ岳は、剣岳や穂高岳とともに北アルプスを代表する山である。東西南北どの方角からも目立つ山容であるが、夕焼けの槍ヶ岳がすっきり見えるのは希少だ。岐阜県
新穂高温泉より入山して双六小屋に宿泊、夕方3時頃より展望台である樅沢岳に向う。
夕刻になると雲に隠れることが多いが、この日は幸運にも夕照に染まったガスの合間から
焼けた槍ヶ岳が少しだけ貌をだしてくれた。。撮影2012年7月中旬






赤石岳盛夏(2013年8月の表紙)    

 
赤石岳(標高3120m)は長野・静岡県境にあり、南アルプス南部の盟主に相応しい風格がある。登山口は西側の長野県側や山梨県・静岡県側にあるが、代表的な椹島から千枚岳〜荒川岳などの3000m峰を縦走するコースが最も満足感がある。縦走といっても標高差があり楽なコースではないが、荒川三山の中岳から前岳にかけての斜面には広大なお花畑が拡がり疲れも吹き飛ぶ快適感がある。






秋姿のチングルマと大雪山旭岳(2013年9月の表紙)    

 
旭岳(標高2291m)は北海道の最高峰で、大雪山連峰の主峰である。東川町の旭岳温泉から姿見の池までロープウェイを利用して、東側の裾会平方面に歩行すると夏には豊富な高山植物の花畑が広がる。一面に咲き誇ったチングルマも8月下旬から9月上旬には、早くも秋風になびく独特な穂だけの風貌に変身、赤色のウラシマツツジの葉が色どりを添える。
背景には主峰旭岳の山頂と、噴煙を上げる地獄谷が拡がる絶景である。







槍沢秋景色(2013年10月の表紙)    

 
槍沢は穂高岳の涸沢と並んで、槍ヶ岳の山稜を背景に真っ赤なナナカマドやダケカンバの黄葉が映える場所である。残暑や早期の寒波で色づきは異なるが、陽光の斜光・逆光を捕らえれば印象的な作品が期待できる。





秋色の央邁勇山(2013年11月の表紙)    

央邁勇山(ヤンマイヨン・標高5958m))は亜丁チベット民族の守護神のひとつで、少女のような静かな姿から文殊菩薩の山とされている。亜丁村落の最奥の仙乃日山(観音菩薩の山)の麓にあるラマ寺院からさらに進むと、三つの神山に囲まれた湖や草原が広がる風景区に至る。清流に雪嶺を映す光景は雄大絶景、チベット民族にとっては一生に一度は聖地である。
2013年の 山と溪谷社「美しい世界のカレンダー」にされた。





明ける雪嶺槍ヶ岳(2013年12月の表紙)    

尖がった岩峰は、ヒマラヤやアルプスでは珍しくないが日本では特異だ。その中でも槍ヶ岳は甲信地方の高峰の何所からでも展望できる。三角錐の富士山と並び、見誤ることの無い日本の山のシンボルだ。10月中旬になると私たちが衣替えをするように、槍ヶ岳も薄衣から白衣へと変身する。最も厚着の槍ヶ岳を間近に見て撮る時期と場所は限られるが、最近では11月の勤労感謝の日連休と、年末年始は稜線の山小屋燕山荘が営業している。燕岳稜線は白衣の槍ヶ岳が撮れる貴重な場所である。





黎明の世界遺産(2014年1月の表紙)    

日本のシンボルともいえる富士山が2013年に世界自然遺産に登録された。端正な白峰富士は日本人のみならず世界の人々の心に残る秀峰、世界遺産になる必要もあるまいと思っていた。シンプルな姿は誰が撮っても富士山、今までは撮る意欲が沸かなかったが、数年前より年に数回通うようになった。特に白化粧を装い、前景にも雪がある季節が好きだ。
この作品は、世界遺産に選ばれる数ヶ月前の2月に山中湖の南にある高座山中腹より撮影した、黎明の富士、世界遺産の黎明である。





モンブランに舞う(2014年2月の表紙)    


モンブラン(仏: Mont Blanc 伊: Monte Bianco)、日本語でいうと白山であるが、同じ白でも輝きが異なる。夏場のボゾン氷河上は灰色がかっているが、冬にはアルプスの女王モンブランが純白のドレスを纏う。厳冬期でもシャモニーではウインタースポーツを楽しむ観光客が絶えないが、その中でもモンブランを背景に飛ぶパラグライダーは豪快だ。




八甲田山の樹氷は、冬の季節風の氷雪がアオモリトドマツにぶつかりながら徐々に成長した自然造詣である。別名「スノーモンスター」、八甲田山の樹氷は独特な表情をしている。
最も成長するのは1月から2月、はなかなか晴天に恵まれないが3月入ると春の兆しで形状が変化し黒目の部分が目立つようになる。遠い関東から何度も撮影に行っても好天に恵まれない日も多いが、それでも独特な表情は通うたびに微笑んでくれる。


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