山岳写真のトップカバー作品館

山岳写真の鈴木菊雄館表紙に使用した、作品解説や山岳情報です。

掲載期間:2018年4月〜


 残雪の山稜(2018年5月の表紙) 
北アルプス・蝶ケ岳 5月上旬

 
 北アルプスの稜線では長い冬から目覚めて、初夏への衣替えが一気に進む。
山稜に這うように生きるハイマツは、夏は身を引くして強風に耐え、冬は雪の
衣にくるまれて季節の訪れを待っている。
一昔前はゴールデンウイークでは未だ雪に埋もれていたが、暖冬の影響で
融雪がかなり早くなってきた。
遠景の槍ヶ岳の稜線や沢では未だ雪に覆われている。





 雪嶺K6 (2018年8月の表紙) 
カラコルム・
K7氷河にて撮影

 

インド測量局がカラコルム山脈を測量した際に、測量番号6番目からK6
(カラコルム
6)と命名。パキスタン西北部のスカルドから未舗装道路をジープで1日・歩行2日目氷河とモレーン地帯のチャラクサ氷河源流域左岸に聳える雪嶺である。
朝陽に輝く雪稜は周囲の高峰を圧倒して美しいが、簡単には登山者を寄せ付けない
厳しい風貌がある。
山と溪谷社・世界の山カレンダー2018年の8月に掲載された。







 秋色の朝日岳(2018年10月の表紙)
那須茶臼岳登山コース 10月上旬 

 
 栃木県北部、福島県との県境の那須連峰にある朝日岳、那須温泉最奥の
大丸温泉より稜線の峰の茶屋に向う。何時も風が強い。
日が昇るにつれて北側の斜面には、クマ笹の緑と紅葉のコントラストが美しい。
西側の姥ケ平からは茶臼岳の噴煙を背景にした紅葉の名所、歩行時間分ほどで
三斗小屋温泉の秘湯がある。






 朝陽に染まる宝剣岳(2019年1月の表紙)
宝剣岳と伊名前岳の稜線より 1月上旬 

 
元旦の黎明前に中央アルプス・宝剣岳山荘を出発、伊名前岳への稜線に向う。
岩陰でも強風を避ける場所は少なく、片手で三脚を支えながら日の出を待つこと暫し
対面の宝剣岳が荘厳な朝陽に染まり始める。
夢中で数枚のシャッタを切り、フイルム交換をしようとカメラザックに手を伸ばした瞬間
強風で三脚ごと近くの岩場に倒れた。
無残にもフイルム巻き上げ部に直撃したショックで撮影続行出来ず、最後の作品となった。






氷結した渓流(2019年2月の表紙)
栃木県・雲竜溪谷 2月上旬 

 
地球温暖化の影響か氷結する滝や期間が短くなってきた。
2017年の2月、冬晴れの女峰山を眺めながら歩行すること数刻、溪谷には
見事に凍結した景観が拡がっていた。





新緑の九塞溝(2019年5月の表紙)
中国・四川省九塞溝 4月中旬 

 
中国四川省北部のアバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県にある自然保護区
ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録 されている..
標高2〜3000mの広大な谷に多くの名瀑や湖沼小100以上の淡水の湖水地帯である。
透明度の高い湖底に沈んだ倒木にもその表面に石灰分が付着し独特な景観を有している。
この時期は未だ水量がなく滝裏が露出していたが、多い時期にはダイナミックな
瀑布になるであろう。





雪嶺チョゴリザ(2019年8月の表紙)
パキスタンカラコルム

パキスタン西北部に聳えるチョゴリザ(標高7864m)は1958年に京都大学探検隊が
2峰に初登頂し、当時の日本人に勇気を与えくれてくれました。
バルトロ氷河の奥からガッシャブルム
B.Cにかけて、異様な氷河柱の上部に
聳えるヒマラヤ襞の雪嶺が強烈な印象的です。






雪景色の白根三山(2019年11月の表紙)
中央アルプス・千畳敷より

中央アルプスでは標高2612mの千畳敷カールまで駒ケ岳ロープウエイが架けられており
東側には南アルプス連峰から富士山まで、 天空の大パノラマが拡がっている。
ロープウエイ山頂駅には千畳敷ホテルが冬も営業しており、そこに宿泊すれば
モルゲンロートの宝剣岳から夕照の南アルプスまで変化に富む堪能できる。





手賀沼冬景色(2020年1月の表紙)
手賀沼の北側・我孫子市遊歩道より

一時は都市公害で悪臭が漂うほどでしたが、やっと古の環境が蘇ってきています。
年ごとに少なくなったのが雪景色、多くてもこの程度の積雪で昨年は2〜3回程度でした。
毎年11月には恒例のバードフェスチバルが開催されて多くの野鳥フアンが
全国から集まってきています。超望遠レンズを三脚につけて、目標の枝に止まるのを
1日中じっと待つカメラマンが多いです。
私の場合は未だその心境にならず散歩の途中でスマホで捉える程度です。





春を待つ立山(2020年4月の表紙)
立山・剣御前稜線より

毎年11月になると立山室堂への交通機関は全て閉ざされて、立山は長い眠りつき
秋の彩りを見せた木々や建物は雪に全て埋もれる。例年だと4月中旬には室堂の
バスターミナルまでのアルペンルートが開通し約半年間の長い冬眠から目覚める。
4月下旬には立山稜線の山小屋もオープン、雪を纏った立山連峰や剱岳の雄姿が
撮影できる。この写真は剣御前小屋に宿泊し、室堂への下山途中に撮った
室堂カールと立山の雪景色である。

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