利根川流域の山・源流域の縦走

利根川流域の山・源流域の縦走

　利根川流域の山は私の心の山だ。２００７年５月に大水上山から尾瀬へ縦走したことで、長年抱き続けていた利根川源流域のトライアングル山域を４年間で完踏、私の山彷徨人生に新たな一頁を刻むことが出来た。
源流域のトライアングルとは、奥利根湖北方の大水上山を頂点にした山域であり最核心部だ。
２５年前に利根川源流の１００山を選定して主要な山頂は登頂したが、源流域を線で結びたい・・・つまり核心部を縦走したいという願望があり、何時までも心に残っていた。

それが今回やっと実現した。
長年出来なかった原因は、私自身が山岳写真撮影に傾注、この時期は春山撮影にも最適な時期であることだ。また、この山域は登山道も無く、残雪のある時期に長期間の山行が必要であり、天候が急変してもエスケープルートが少ない。
積雪状況や雪解けの進行によっては、痩せた尾根上は雪の庇（雪庇）の崩壊が進み、危険が多く入山できる時期が年間でも限られている。
２００６年は雪質と天候不安定で断念したが、今回は幸いに天候にも恵まれて、核心部である最難関を踏破することが出来た。

大水上山から剣ヶ倉山・尾瀬ヶ原　　＜Ⅲ＞

山行日：２００7年５月０３日～５月０6日
５月０３日：六日町野中～十字峡～丹後山～大水上山～1650ｍ地点　天幕泊
５月０４日：天幕場～藤原山～滝ケ倉山～剣ケ倉山～平ケ岳手前1930ｍ地点　天幕泊
５月０５日：天幕場～平ケ岳～白沢山～ススケ峰～倉ケ岳～柳平　天幕泊
５月０６日：天幕場～尾瀬ヶ原～山の鼻～鳩待峠～戸倉
　　　　　

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＜十字峡は雪解け激流＞
今年は雪解けが早く、雪上の
歩行にも危険地帯が多い。

＜丹後山への急登が続く＞
岩稜と雪稜のミックス地帯が
多く、歩き辛い。

＜丹後山の避難小屋＞
1階から下は雪の中だが
入口付近は除雪されていた。

＜大水上山を目指して＞
ここまで来ると、なだらかな
雪稜が続く。

＜大水上山の石碑＞
以前には無かったが、利根川源流域の石碑が有り
ここだけが、雪上に出ていた。

＜利根川源流の雪塊＞
大河利根川の一滴はこの付近から始まる。
夏になっても残雪が残る。

＜雪庇と薮の登山道＞
大水上山を過ぎて、剣が倉山まではこのコース最大の難所だ。
今にも崩壊しそうな雪庇地帯、危険を避けて薮に入っても、また辛い。

＜利根川源流の雪稜展望＞
ダイナミックな雪稜展望が快適だ。

＜剣が倉山を振り返る＞
最鞍部付近は、足幅程度の痩せ尾根
コース中で最悪の難所だった。

＜天幕場風景＞
剣が倉山の難所を越えた
平が岳頂上手前で天幕泊した。

＜平が岳頂上付近からの展望＞
ここまで来ると危険地帯も終わり、なだらかな雪稜が続く。
燧岳も見え始め、もう着いた気分になるが、これから尾瀬までは長い。

＜やっと着いた尾瀬＞
懐かしい山々とダケカンバも絵になる。

＜早い水芭蕉＞
尾瀬ヶ原には、もう早咲きの水芭蕉が開花していた。

懐かしい山ノ鼻へ到着
おつかれ！

巻機山から谷川連峰　　＜Ⅰ＞

　大水上山の雪渓の一滴が源となり、奥利根湖・藤原湖と南下して水上町に至る。西側には標高１８００ｍから２０００ｍの県境尾根が、谷川連峰まで南下している。丹後山や巻機山、朝日岳などの主要な山頂へは登山道が整備されているが尾根を繋ぐ登山道は無く、縦走するのは藪が雪に埋もれる積雪期のみとなる。また巻機山を出発すると朝日岳手前のジャンクションピークまでは、エスケープルートも無いので天候変化を見極めて決行する。幸い今回は天候に恵まれて完踏することが出来たが、気まぐれな上越国境の天候変化で、テントも飛ばされるほどの強風もあった。春とはいっても山上は時には厳冬期の厳しさもあり、崩壊寸前の雪庇も多く、迂回すれば背丈以上の藪に悩まされるなど体力気力が勝負の山行であった。

山行日：２００４年４月３０日～５月２日
４月３０日：塩沢町清水・桜坂駐車場～井戸尾根　前巻機山～巻機山避難小屋　小屋泊
５月０１日：避難小屋～巻機山牛が岳～米子の頭～柄沢山～大烏帽子山手前　天幕泊
５月０２日：天幕場～大烏帽子岳～ジャンクションピーク～朝日岳～土合駅


＜巻機山桜坂登山口＞雪の残る駐車場に数台の乗用車芽吹き始めの新緑が印象的	＜ブナ林の登頂＞歩き始めて40分、冷風を　受けて、快適な登りが続く。	＜東洋のマッターホルン＞６合目付近が近づくと北側に鋭峰・大源太山が見えてくる。	＜見えた巻機山前衛峰＞樹林帯が消えると、前巻機山への長い・辛い上りが続く

＜雪の消えた８合目＞登山道の崩壊を防ぐ、土砂止めと植生復元の工事跡。	＜雪に埋もれる小屋＞今年は２階から出入したが昨年は雪に埋もれて使用出来ず	＜頂上標識と県境の山々＞利根川上流から越後の山々３６０度の景観が堪能できる。	＜縦走する雪稜＞快適な雪稜歩行が続きそうだが未だ先は長い。

＜背丈以上の藪に悩む＞　　山を越えると藪また藪の連続１ｍ離れると前の仲間が見えない。	＜急峻な雪稜の下り＞気温の上昇で雪が解け、滑り易いストックを頼りに慎重に下る。	＜崩壊しそうな雪庇＞気温が上がり雪庇を踏み抜けば魔の底に転落する。	＜快適な稜線歩き＞藪道と雪稜の急登を過ぎると快適な展望の尾根に出る

＜雪稜の登り＞春の日ざしを受けて快調な歩行が続く	＜雷鳥の出迎え＞　白い羽をまとい未だ冬衣装のままです。	＜ジャンクションピークの標識＞ここを過ぎると整備された登山道雪も激減し、歩き易くなる。	＜白毛門から朝日岳展望＞緊張の白毛門下の鎖場が過ぎて、山稜を振り返る

＜展望スナップ＞これからの長い雪稜をバックに記念写真撮影			＜やっと着いた土合標識＞白毛門からは急下降の連続。平坦な道となり土合までもう直ぐ。

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＜登山口の十字峡入口＞芽吹き始めた春、ここは釣り人と登山者の世界である。	＜三国川の激流が渦巻く＞登山道は雪の下、落石や雪崩の　跡が生々しい。	＜栃ノ木橋の案内板＞危険地帯が一段落し一息。これから丹後山まで急登連続。	＜見えた越後三山＞樹林帯が消えると、中岳などの越後三山の稜線が見え始める。

＜丹後山のコルからの展望＞急登から開放されると、これから進む稜線が十分に展望できる。	＜越後沢山への登り＞越後沢山は利根川源流域の山でスケール山容共に一級品。	＜越後沢山頂上から本谷山＞頂上は、笹ヤブと、ズタズタに切れてる雪庇とクレバス。	＜雪稜の登り＞本谷山の先で、数少ない登山者に逢い、暫く同行した。

＜雪のクレバス帯＞　　雪庇の端を避けて、キックステップで慎重に歩行する。	＜険峻な尾根の歩行　１＞尾根幅50ｃｍ位、片手で木の枝を掴みながら進む。	＜険峻な尾根の歩行　２＞尾根の利根川側は、雪庇とクレバスが連続する。	＜手強いヤブに悩む＞多くは、石楠花や配松・笹の混合ヤブで、体力を消耗する。

＜やっと着いた下津川山頂上＞利根川源流域の山でも、越後沢山と共に一級品です。	＜三ツ石山の天幕場＞　東側は、歩いてきた下津川山の険峻な山肌と稜線を一望。	＜天幕場での最初の仕事＞先ず、夕飯と朝食用と明日の行動水用の雪を集めます。	＜天幕場からの下津川山西壁＞ここから展望する下津川山の山容は絶品です。

＜三ツ石山天幕場より＞西側には、これから越える永松岳の奥に、懐かしい巻機山が・・・			＜やっと着いた清水桜坂登山口＞長い５日間の踏破が終わり、新緑が一層眩しく映ります。


＜巻機山桜坂登山口＞雪の残る駐車場に数台の乗用車芽吹き始めの新緑が印象的	＜ブナ林の登頂＞歩き始めて40分、冷風を　受けて、快適な登りが続く。	＜東洋のマッターホルン＞６合目付近が近づくと北側に鋭峰・大源太山が見えてくる。	＜見えた巻機山前衛峰＞樹林帯が消えると、前巻機山への長い・辛い上りが続く

＜雪の消えた８合目＞登山道の崩壊を防ぐ、土砂止めと植生復元の工事跡。	＜雪に埋もれる小屋＞今年は２階から出入したが昨年は雪に埋もれて使用出来ず	＜頂上標識と県境の山々＞利根川上流から越後の山々３６０度の景観が堪能できる。	＜縦走する雪稜＞快適な雪稜歩行が続きそうだが未だ先は長い。

＜背丈以上の藪に悩む＞　　山を越えると藪また藪の連続１ｍ離れると前の仲間が見えない。	＜急峻な雪稜の下り＞気温の上昇で雪が解け、滑り易いストックを頼りに慎重に下る。	＜崩壊しそうな雪庇＞気温が上がり雪庇を踏み抜けば魔の底に転落する。	＜快適な稜線歩き＞藪道と雪稜の急登を過ぎると快適な展望の尾根に出る

＜雪稜の登り＞春の日ざしを受けて快調な歩行が続く	＜雷鳥の出迎え＞　白い羽をまとい未だ冬衣装のままです。	＜ジャンクションピークの標識＞ここを過ぎると整備された登山道雪も激減し、歩き易くなる。	＜白毛門から朝日岳展望＞緊張の白毛門下の鎖場が過ぎて、山稜を振り返る

＜展望スナップ＞これからの長い雪稜をバックに記念写真撮影			＜やっと着いた土合標識＞白毛門からは急下降の連続。平坦な道となり土合までもう直ぐ。